大阪郊外の30年位前に分譲された住宅地での2世帯5人の家の建替えである。駅から10分あまり畑や田んぼを通り過ぎたところに立地するのどかなロケーションである。
1階は祖父母のスペースである和室とLDKによって構成される。料理やお菓子を作ることを楽しみにされているご家族であり、アイランド形式のオープンキッチンを採用した。LDKは祖母の動きやすい動線と方位を考慮してキッチンは南側に配置し、玄関側はオーディオの好きな祖父のスペースとし、家族のパブリックスペースとして広がりをもたせた。
2階は吹き抜けの階段を通して玄関とつながるフリースペースを中心に寝室が配置され、夫妻と子供がTVやITを楽しむフリースペースは建物の形態のずれをいかして高い斜天井でハイサイドライトを取り入れ明るくいきいきしたスペースとしている。窓を多く取り、光・風・自然を感じることができる第2のリビングとなっている。又、子供室は建物の形態のずれをいかしてロフトを設けている。
外観は曲面の屋根をもつ2つのマスによって構成される。この2つのマスはズレをもたせて配置している。2つのマスの外皮はナチュラルな板張りとセメント系パネルで対比的に構成し、色彩も変化をつけている。形態、素材、色彩をうまく組合せることで、ファーサードに変化とリズムをつけ、シンボリックではあるが、親しみやすくカジュアルに表現した。ファサードに自然素材を使うことで周辺の自然とのバランスを配慮した。
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